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本心でお仕事が楽しくて仕方ない人を私は信用しない。

芸術は悲しみと苦しみから生まれる。 -画家 パブロ・ピカソ

ピカソは生涯で物凄く画風を変えていった人です。

すごーく暗い社会の底辺の人々を描いた絵から、キュビズム、シュルレアリスムなど様々な画風に変わっていきました。

しかも、全く違う画風で、他のだれもやったことが無い描き方にチャレンジしていったんですね。

何か趣味で絵を描く人やダンスをする人、俳優を目指している人は、その仕事が楽しくて仕方がないからそれらを続けてます!という方が多いですね。

趣味ならいいんです、趣味なんだから。

でも、中には仕事でやっている人も。

よくFaceBookやブログで楽しそうな写真を乗せている人は多いけど、プロだったら、本心は「楽しくて仕方ありません!」なんてことは思わないはずだと思います。

(私もダンスの楽しそうな写真を載せていますが、楽しい!というより、「みんなが喜んでくれて良かった!」という任務完了!ご報告!の気持ちが本心です。)

本心で楽しくて仕方ないのは、自分への批判を全くしていないから。 自分を甘やかしているからです。

私は6年間人間国宝の師匠について、能楽を学んでいましたが、師匠が仕事をしていて「楽しかった!」なんて言葉を言ったのを一度も聞いたことがありません。

だいたい、きちんと仕事をして当たり前、やるべき自分の仕事を最大限に全うするという姿でした。 そこに、好きとか、嫌いとか妙な自分の感情は入りこんでいない。

そして、レベルが上がれば上がるほど、見えてくる仕事のレベルはますます上がるので、 自分の今の状態を「良し」とし、満足して「楽しかった〜。」なんて言うわけないのです。

師匠のレベルは私ごときが図れるものではありませんでした。

私が自分の意地(個性)を通すような演奏をしたときは、「お付き合いくださって申し訳ない。」と共演した他の大先輩がたに、謝って下さったり。(私は直接、怒られはしませんでしたが、そういう師匠の姿をみて、余計申し訳なく思いました。)

自分がいいと思うこととか、 自分が負けまいとするとか

そんなものは自分が認められて「楽し〜い」という快楽状態を求めているだけだと。 そんなものは、プロの舞台ではいらない!ということです。

今いる自分のレベルを否定し、もっと上を目指す人は

「今の自分を認めよう、そのうえでレベルアップしていこう!」なんて言いません。

そういうことを言ってる時点で、自分を甘やかしちゃうんですよね。

自分を認めている人は、自分を否定することを恐れませんから。

私もそういう人間になろうと思います。

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