服を見ればその時代の空気が見える「PARISオートクチュール展」より
今日は三菱一号美術館で開催されている「PARIS オートクチュール 世界に一つだけの服」展を観に行きました!
1920年代~1990年代のオートクチュールの服や小物が並んでました。
今はプレタポルテ(高級既製服)が主流の世の中ですが、それさえもファストファッションに押されている時代。
1点1点手作りで仕立てられた服はこの展覧会でも言っているようにまさに「芸術品」ですね。
見に来てらっしゃる方はやっぱり、圧倒的に女性でした。
若いデザインや服飾関係の女性も多くて、普段の美術館とは少し違う雰囲気でしたね。
写真で見るのとは違い、作品を保護するため照明が落とされていたので、ほの暗い中で見なければいけませんでしたが、逆にスパンコールなどの輝きがよくわかりました。
とあるように、はじまったオートクチュール。
全体を時代を通してみてみると、その時代の人々の気分がかんじとれます。
1960年代にはピエールカルダンが抽象絵画のような大胆なデザインを服に取り入れたり、ミニスカートが流行り、女性の自立や社会進出を感じ取れます。
素晴らしい書物や建物や絵画は時代を超えて残りますが、その時代の一般の人々の気分はその時代を生きていなければわかりません。
でも、服は非常に正直にその時代の人々の生の気分を残してくれていると私は思います。
なぜなら、その服を着ていた人たちは、後世の人のことなど考えずに、自分の好みや流行、つまり大勢の人の好みに合わせて服を選んでいただけなんですから、嘘ではないんですよね。
よく、たかが服、たかが流行ファッションと言われ、軽く扱われがちなファッションですが、消えてしまうはかないものだからこそ、忠実にその時代を写し取っているとも言えます。
服の実用性と非実用性が混ざりあい、技術の粋を集めたオートクチュールはどんな人がこのドレスを着ていたのだろう?と考えるだけでうっとりさせられるものです。
しかし、今現在の服のような、使い捨ての服たちをみると、やっぱり、うすら寒い思いになりますね。
毎年使い捨ての服ではなく大切な1着。と言える服が無性に欲しくなる展覧会でした。